スタッフの吉川です。今回は業務上のケガや病気・死亡における労災保険認定基準の改正について確認したいと思います。
労災保険(労働者災害補償保険)は労働者が仕事や通勤で負ったケガや病気、死亡に対して労働者本人や遺族に必要な保険給付(補償)を行う制度で、保険料は全額事業主負担です。
一人でも労働者がいる事業所は労災保険に加入しなければなりません。
2021年9月労災保険の認定基準が見直しされたことで、6年越しに労災認定されたケース
居酒屋チェーン店の調理師さんが仕事中に脳内出血で倒れ、後遺症が残り労災請求をしました。
長時間労働を原因とする「過労死ライン」に満たないとして労災請求は認められませんでした。
ところが、2021年12月その不認定が取り消され、全国で初めて新基準に基づき労災が認められました。
脳・心臓疾患の労災認定基準の改正概要
脳・心臓疾患の労災認定基準の改正がおこなわれています。これにより、今までの時間外労働の時間数だけでなく、負荷要因も含めた総合的な判断で労災認定されるケースがでています。
・過労死ラインに至らなくても、労働時間以外の負荷要因も加味し、総合評価する。
過労死ライン
①1か月間に100時間以上の時間外労働
②直近2~6ヶ月間では平均で80時間の時間外労働
(以下の内容を、新たに認定基準に追加)
■労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
■労働時間以外の負荷要因を見直し
■業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
(厚生労働省のリーフレットはこちら)
脳・心臓疾患認定基準改正 000832041.pdf (mhlw.go.jp)
脳・心臓疾患の労災認定 000863842.pdf (mhlw.go.jp)
労働者災害補償保険に加入していますか
労災保険に加入していれば大切な労働者とその家族を守ることができます。会社で「労働災害や過労死なんて滅多にない」と考えていませんか?
「このくらい大丈夫、体力に自信がある」と考えている労働者も多いのですが、労災が起きてからでは遅いです。労働時間や業務内容で悩んでいないか労働者に目を向けてみてください。
リモートワークが導入された会社では、働き方の多様化で「隠れ長時間労働」が増えています。
会社では定期的に健康診断を行っていますか?
TSUNAGU社労士事務所では、ライフ・ワーク・バランスの下、社会と会社と人をつなげて行くために、事業主・労働者の皆さんをサポートいたします。
疑問や不安なことがあれば、なんでもご相談ください。